ハリネズミヘジホジ おはなしの おかしたち

 

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夏・秋・冬・春の4話からなる本作は、イギリスでは身近な動物だというハリネズミを主人公に、簡単に作れるイギリスのお菓子を紹介すると いう趣向の絵本原作である。主人公のヘジホジは、ママが作ってくれる お菓子が大好きなハリネズミの男の子。でも、食いしん坊なので、友だちのヘジカといっしょに食べるはずのフラップジャックをひとりで全部食べてしまったりもする。4つのエピソードには、それぞれハプニングがあるが、最後はおいしそうなシーンで幕が降ろされる。

日本でも人気のあるハリネズミのキャラクターは、想像しただけでもかわいらしく思えるが、ヘジホジも期待に違わず、かわいい振舞いを見せてくれる。第1話では、ヘジカの分も食べてしまったフラップジャックを自分で作ろうと、ママのレシピを取り出すが、材料を準備しているうちに、レシピを紛失してしまう。いくら探しても見つからないレシピは、 実はヘジホジのお尻に刺さっていたという図は、ユーモラスでかわいらしい。

一方、第2話はちょっとファンタジックな展開のエピソード。ジンジャーブレッドマンビスケットを作っていたママの手伝いを始めたヘジホジだったが、生地を延ばしておにいさんの型を抜き、チョコペンで口を書いたら、なんとジンジャーブレッドマンが喋り出すのである。いっしょに遊んでいるうちに、ヘジホジの針でジンジャーブレッドマンのお腹に穴が空いてしまう。一連の出来事はヘジホジが見ていた夢だったのだが、 ママが焼きあげたジンジャーブレッドマンビスケットにも穴が空いていて、それが結末できちんと活かされている。

第3話もハリネズミという動物の特性を上手く活かしたストーリーといえるだろう。外に積もった雪に大喜びのヘジホジは、早速外に出て雪と戯れる。ハリネズミの雪ダルマをいっぱい作るシーンは、絵にしても楽しそうだ。ところがヘジホジは、遠くに行ってはだめというパパとの約束を忘れて山に登り、迷子になってしまう。ママの料理の匂いを頼りに、 家の見えるところまでは戻って来られたが、高い場所からの帰り道がわからない。そこで、ボールになって転がり落ちることにする。転がるへジホジに雪がついて大きな雪のボールになるというのはなんともコミカルだ。最終話では、春の森で集めたいちごを使ったいちごフールが紹介されるが、春で締め括ることで明るく温かな読後感が残る作品となった。

 

イギリスのお菓子には簡単に作れるものが多く、簡単なだけに素材の味も活かされるという。本作で紹介されるお菓子についても、読者は自ずと興味を抱くはずだ。広く子供たちに愛される絵本として送り出されることを期待している。

 

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